また素敵なガーナ民話を見つけました


おはなしおはなし―アフリカ民話より

おはなしおはなし―アフリカ民話より

   

この民話も「アナンセ」が主役のお話です。お話の内容もとっても素敵なのですが、私が一番関心を持ったのは少々違った点でした。
作者がこの「アナンセ」のお話を見つけたのはアフリカではなかったそうです。どうしてでしょうか?

この本の構想は彼女がカリブ海の島に住んでいたときに生まれたものだそうです。
そこにはトラやヒョウの出てくる話がありましたが、現実には、こうした猛獣は彼女のいたカリブ海にはいなかったそうです。
そこで、このような話のもとをたどっていくとアフリカに行きつきました。
彼女はこの本を書くために、アフリカの民話と文化を学び、アフリカの言語、習慣や生活様式の味わいをとらえました。

うーん、素敵です。彼女はアフリカとカリブ海という点と点をどのように結びつけたのでしょうか?

  • このお話について

このように「アナンセ」がでてくるお話はアフリカだけでなく、アメリカにもあるそうです。


実は、「アナンセ」のお話は、アフリカから運ばれた、アフリカ人の奴隷が、大西洋をわたって持ってきたものだったのです。
アメリカになんとかたどり着いたアフリカ人の子孫たちは、この話をずっとずっと語り継いでいきました。
「アナンセ」はカリブの島々で「アナンシー」となり、アメリカ南部では「アント・アナンシー」(ナンシーおばさん)として伝わっているそうです。


ガーナは奴隷貿易の中心地として栄えたという歴史があります。何世紀にも渡って、ガーナ人奴隷の多くはジャマイカなどのカリブ海の島々に運ばれました。ガーナ音楽はジャマイカのポピュラー音楽などにも非常に影響を与えていることがわかっています。そんなことをガーナ大学で学んだことを思い出し、民話においてもこうしてアフリカの遺産が引き継がれ、形を変えて残っていることに感動しました。


アフリカが世界の音楽や文化に与えた影響というのはすさまじいものがあります。
そんな視点からも私はアフリカの豊かさを感じます。
皆さんはどう思いますか?