Phonecall From GHANA ガーナからの電話


明け方の4時、突然電話が鳴り響いた。
ガーナからだった。


「How are you, Miho!!」
の第一声から始まったその電話はマイケルだった。
ガーナ大学院の同級生であり、私がリサーチで住んでいたZiope村の家族の一員だ。


「ソロモンにもかわるよ」とマイケルは言って息子のソロモンは「ハーイ!!」と電話越しに言った。
「もうしゃべれるようになったんだ!!」と私が言うと
「当然だよー!!」とマイケル。
そりゃそうだ、あれからどんだけの時間がたってるんだろう、と思いをめぐらしながら、
1年半ぶりに話したマイケルとの電話が切れた。
電話を切ってから、ガーナでの生活、友達、子供たち、街、学校、いろんなことを思い出して時間がタイムスリップしたようだった。


そういえば、Ziope村に始めて行ったのは、マイケルの息子ソロモンが生まれたというので、彼に会いに行ったのがきっかけだった。
首都アクラからバスで3時間。エウェ族の住む地域に行ったのはそれが始めてのことだった。
それがきっかけで、Ziope村でわらべ歌のリサーチをすることになり、大学院の論文を書いたのだ。
ソロモン、彼が私をZiopeに引き合わせてくれたんだな。


そんなことを思いながら、なんだか懐かしくて、ガーナのみんなに会いに行きたくなった。


「夏休みにはガーナに遊びに行きたいんだ」
そう言った私に「待ってるよ」と言ってくれたマイケル。


世界のどこかで今も私のことを覚えてくれている人がいて、こうして電話をくれる友達がいる、
なんかうれしかったなー。
そして今まで自分が歩んできた人生も悪くないよな、と思えた瞬間だった。


2003年10月25日撮影、Ziope村にて「ソロモンとマイケル」